住宅情報サイトやモデルハウスの見学で「主寝室にウォークインクローゼットを完備」といった説明を目にすることが増えています。
クローゼットや納戸とはどう違うのか、どのくらいの広さがあれば使いやすいのか、気になった人も多いのではないでしょうか。
ひとことで言うと、ウォークインクローゼットとは人が中に入って歩き回れる広さを持つ収納専用のスペースのことです。
この記事では、ウォークインクローゼットの意味や間取りの種類、クローゼット・納戸との違いについてわかりやすく解説します。
ウォークインクローゼットとは
ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩き回れるほどの広さを持つ収納スペースのことです。
部屋の一角を仕切って作られる場合もあれば、独立した小部屋として設けられる場合もあります。
衣類だけでなく、靴やバッグ、アクセサリー、季節物の寝具などもまとめて収納できる点が特徴です。
扉を開けて中に立ち入り、ハンガーにかけた衣類や棚の中身を見渡しながら選べるため、着替えの支度がしやすくなります。
名前の由来
ウォークインクローゼットという呼び名は、英語の「Walk-in(歩いて入る)」と「Closet(収納・押入れ)」を組み合わせた表現に由来するといわれています。
英語圏の住宅用語として使われてきた言葉が、日本の住宅業界にも取り入れられ、間取り図や物件広告で定着していきました。
「歩いて入れる収納」という言葉の成り立ちを知っておくと、一般的なクローゼットとの違いもイメージしやすくなります。
ウォークインクローゼットの間取りの種類
ウォークインクローゼットは、収納スペースの形によっていくつかのタイプに分けられます。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| I型 | 壁一面に収納を配置するシンプルな形。省スペースで設けやすい |
| II型(並列型) | 両側の壁に収納を設けるタイプ。収納量を確保しやすい |
| L型 | 部屋の角を利用してL字形に収納を配置するタイプ |
| U型 | 三方向の壁に収納を設けるタイプ。大きめの部屋に多い |
同じ畳数でも間取りのタイプによって使い勝手や収納量が変わるため、設計段階での検討が大切です。
広さの目安はどのくらい?
ウォークインクローゼットの広さは、一般的に2畳から4畳程度のものが多いとされています。
あくまで目安であり、住宅の規模や設計方針によって、これより狭いものや広いものもあります。
2畳前後だと一人分の衣類を中心に収めるイメージ、4畳前後だと夫婦ふたり分や季節物まで収めるイメージで考えると検討しやすくなります。
広さだけでなく、通路の確保や扉の開閉スペースも含めて考える必要がある点には注意しておきたいところです。
ウォークインクローゼットの中に入れる設備・収納アイテム
ウォークインクローゼットの内部は、ハンガーパイプ・棚板・引き出しなどを組み合わせて使うのが一般的です。
- ハンガーパイプ:シャツやコート類を吊って収納する棒状の設備
- 可動棚:棚板の高さを調整できるタイプの棚
- 引き出し・チェスト:下着やアクセサリーなど小物を分けて収納
- 収納ケース・ボックス:季節外の衣類やかばんをまとめて保管
これらを部屋の形に合わせて配置することで、同じ広さでも収納できる量や使いやすさが変わってきます。
ウォークインクローゼットとクローゼットの違い
ウォークインクローゼットとクローゼットは、どちらも衣類などを収納する設備ですが、広さと使い方が異なります。
| 項目 | ウォークインクローゼット | クローゼット |
|---|---|---|
| 広さ | 人が中に入って歩ける | 人が中に入らず、外から出し入れする |
| 扉の数・形 | 1枚扉や引き戸など、出入り口としての扉 | 開き戸・折れ戸・引き戸など複数パターン |
| 収納量 | 比較的多い | 部屋の広さに応じて限られる |
一般的なクローゼットは奥行きがそれほど深くなく、外に立ったまま扉を開けて取り出す使い方が中心です。
一方のウォークインクローゼットは内部に立ち入れる分、収納量が増え、衣類を見渡して選びやすいという違いがあります。
ウォークインクローゼットと納戸の違い
納戸は、採光や換気などの基準から居室として扱われない部屋を指す言葉で、主に物置用途で使われます。
ウォークインクローゼットも納戸と同様に部屋の形をしていることがありますが、主な用途は衣類や身の回り品の収納に限定される点が異なります。
| 項目 | ウォークインクローゼット | 納戸 |
|---|---|---|
| 主な収納物 | 衣類・靴・バッグなど身の回り品 | 季節用品・工具・ストック品など幅広い物 |
| 内部設備 | ハンガーパイプや棚が中心 | 棚や物置用のラックなど |
| 間取り図上の表記 | WICなどと表記されることが多い | N(納戸)などと表記されることが多い |
用途が衣類中心かどうかという点が、ウォークインクローゼットと納戸を見分けるひとつの目安になります。
ウォークインクローゼットのメリット
ウォークインクローゼットには、暮らしを便利にするいくつかのメリットがあります。
- 夫婦や家族の衣類を一か所にまとめられ、朝の支度がしやすくなる
- 季節物の衣類や旅行用のかばんなど、日常的に使わない物の保管場所になる
- 衣類を見渡しやすく、コーディネートを考えながら選べる
- 各部屋のクローゼットを減らせるため、部屋のレイアウトを工夫しやすい
特に家族で衣類をまとめて管理したい場合は、各部屋に小さなクローゼットを分散させるよりも使いやすいと感じる人が多いようです。
ウォークインクローゼットの注意点
メリットが多い一方で、計画する際に気をつけておきたい点もあります。
- 部屋として一定の面積を確保するため、他の居室が狭くなる場合がある
- 収納量が多いぶん、物が増えやすく整理の手間がかかりやすい
- 窓がない間取りの場合、湿気がこもりやすく衣類の管理に注意が必要
- 扉の位置や通路幅によって、出し入れのしやすさが変わる
広い収納スペースがあるからこそ、使わない物をため込みすぎないよう、定期的な見直しが欠かせません。
ウォークインクローゼットに向いている間取り・向いている人
ウォークインクローゼットは、主寝室に隣接させる間取りでよく採用されています。
夫婦ふたり分の衣類をまとめて管理したい家庭や、季節物の荷物が多い家庭に向いているといえます。
一方で、住宅全体の面積が限られている場合は、各部屋に小さめのクローゼットを分けて設ける方が使いやすいこともあります。
家族の人数や生活スタイルに合わせて、どちらの収納方法が合っているかを考えることが大切です。
設置する場所のポイント
ウォークインクローゼットを設ける場所としては、主寝室の隣や階段近くの空間を利用するケースが多く見られます。
洗面所や脱衣所の近くに配置すると、洗濯から収納までの移動が少なくなり、家事の手間を減らせます。
リノベーションで既存の部屋をウォークインクローゼットに転用する場合も、生活の流れに合わせた場所選びがポイントになります。
ウォークインクローゼットのよくある誤解
ウォークインクローゼットという言葉から「広ければ広いほど良い」と考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。
広さに対して収納するものが少ないと、空間を持て余してしまうこともあります。
また、納戸や物置と同じ感覚で何でも詰め込んでしまうと、本来の衣類管理という使い方から外れてしまう点にも注意が必要です。
収納アイテムを使って整理するコツ
ウォークインクローゼットの使いやすさは、内部の仕切り方によって大きく変わります。
- 収納ケースで衣類の種類やシーズンごとに分ける
- 仕切り用のボックスで小物やアクセサリーを整理する
- 突っ張り棒やラックを足して、デッドスペースを活用する
- ラベルを貼って、家族それぞれが何がどこにあるか分かるようにする
手頃な収納用品を組み合わせることで、同じ広さでも格段に使いやすい空間に整えられます。
まとめ
ウォークインクローゼットとは、人が中に入って歩き回れる広さを持つ収納専用のスペースのことです。
I型・II型・L型・U型といった間取りのタイプがあり、広さの目安は2畳から4畳程度とされています。
外から出し入れする一般的なクローゼットや、物置用途が中心の納戸とは、広さや使い方の点で違いがあります。
メリットだけでなく湿気対策や物の増えすぎといった注意点も踏まえ、収納アイテムを上手に使って整えていくことが、使いやすいウォークインクローゼットにつながります。














