フランジとは?意味や種類、継手・パッキンとの違いをわかりやすく解説

工場の配管工事や水道・ガス設備の現場では、パイプの端にある鍔状の金属部品を目にすることがあります。DIYでも、棚やテーブルの脚に使うパイプ部品のコーナーで「フランジ」という名前の金具を見かけた方もいるかもしれません。

そのフランジ、形を見れば「つばのような部分」とわかっても、継手やパッキンとどう違うのか、どんな種類があるのかは意外と知られていません。似たような場面で使われる部品だからこそ、混同しやすいのです。

フランジとは、ひとことで言えば、パイプや機械部品の端に設けられた鍔状の突出部で、別の部品とボルトなどで強く結びつけるための構造のことです。

この記事では、フランジの仕組みや種類、継手・パッキンとの違い、DIYでの使い方についてわかりやすく解説します。

フランジとは

フランジとは、パイプや機械部品、構造材の端や側面に設けられた、外側に張り出した鍔状の部分を指す言葉です。

主な役割は、2つ以上の部品を強くつなぎ合わせて固定することにあります。配管同士の接続だけでなく、機械の筐体や建材の接合にも使われています。

見た目はただの出っ張りに見えますが、ボルト穴が開いていて、相手側のフランジと向かい合わせにして締結する構造になっているのが特徴です。

産業機械や配管設備だけでなく、自動車や建築、さらにはDIYで使う棚受け金具などにも、フランジという名前の部品が登場します。

フランジの語源・由来

フランジは英語のflangeに由来する言葉で、もともと「縁」や「へり」といった意味を持つ単語です。

円盤や管の外周に張り出した縁の部分を指す英語表現が、そのまま日本語の工業用語として定着しました。

日本語で「つば」と訳されることもありますが、現場では英語由来の「フランジ」という呼び方がそのまま使われるのが一般的です。

フランジの仕組み

配管用のフランジは、つなぎたい2本のパイプの端にそれぞれフランジを取り付け、向かい合わせてボルトで締結する仕組みです。

フランジとフランジの間にはパッキンと呼ばれる薄いシート状の部材を挟み、接合面のわずかな隙間を埋めます。

この構造によって、ボルトの締結力による強い固定力と、パッキンによる気密性・液密性の両方を同時に確保できる仕組みになっています。

溶接のように一体化してしまう接合と違い、ボルトを外せば再び分解できる点も、フランジ接合の大きな特徴です。

フランジの主な種類

フランジには取り付け方や形状によっていくつかの種類があり、使う場所や目的によって選び分けられています。

種類特徴
溶接式フランジパイプに直接溶接して取り付けるタイプで、強度が求められる場所に向いています
ネジ込み式フランジパイプにねじ込んで固定するタイプで、溶接が難しい場所でも使えます
スリップオンフランジパイプに差し込んでから溶接するタイプで、取り付け作業がしやすいとされます
ブラインドフランジ管の端をふさぐキャップのような形状で、配管の末端処理に使われます

このほかにも用途に応じた専用形状のフランジがあり、配管の規格や圧力条件に合わせて選ばれています。

フランジと継手の違い

継手とは、配管同士をつないだり、方向を変えたり、分岐させたりするための部品全般を指す言葉です。

フランジは、この継手の中でも、鍔状の部分をボルトで締結してつなぐ方式の接合部品という位置づけになります。

項目フランジ継手
指す範囲鍔状の接合構造そのもの配管をつなぐ部品全般
接合方法ボルトによる締結が中心ねじ込み・差し込み・溶接など多様
分解のしやすさボルトを外せば分解しやすい種類によって分解のしやすさが異なる

つまり継手が大きな分類で、フランジはその中の一方式と考えると整理しやすくなります。

フランジとパッキンの違い

パッキンとは、部品と部品の隙間を埋めて液体や気体の漏れを防ぐ、ゴムや樹脂などでできた薄いシート状の部材です。

フランジがボルトで部品同士を固定する金属などの構造部品であるのに対し、パッキンはその間に挟んで使う消耗部品という違いがあります。

フランジだけでは金属同士の接合面にわずかな隙間が残るため、パッキンを挟むことで初めて気密性・液密性が確保される仕組みです。

フランジは繰り返し使える構造部品、パッキンは劣化すれば交換が必要な消耗品、と覚えると区別しやすくなります。

フランジが使われる場所・用途

フランジは工場の配管設備をはじめ、水道やガスのインフラ設備など、幅広い場所で使われています。

自動車のエンジン周りや機械部品の接合部にも、小型のフランジ構造が組み込まれていることがあります。

身近なところでは、棚やテーブルの脚にパイプを使うDIY用の金具の中にも、フランジと呼ばれるパーツがあります。

パイプの端をビス留めする台座部分がフランジ状になっているため、工業用のフランジと同じ名前で呼ばれているのです。

フランジの選び方

業務用の配管設備で使うフランジは、規格や口径、圧力等級が決まっているため、接続するパイプや設備に合わせて選ぶ必要があります。

材質もステンレスや鋼、樹脂などさまざまで、扱う液体や気体の種類、使用環境によって適したものが変わってきます。

DIYで使うパイプフランジの場合は、使うパイプの太さに合う口径と、取り付け先の素材に合うビス穴の形状を確認して選ぶとよいでしょう。

DIYでのフランジの使い方

DIYでは、パイプフランジを床や壁、天板にビスで固定し、そこにパイプを差し込んで脚やハンガーバーとして使う方法がよく見られます。

フランジとパイプを組み合わせるだけで、棚受けやテーブル脚、タオルバーなどの骨組みを手軽に作れるのが魅力です。

取り付ける際は、ビスを均等な力で締め、フランジがぐらつかないように固定することが安定した仕上がりのポイントになります。

フランジの取り付け方のポイント

配管用フランジを取り付ける際は、2枚のフランジの穴をずれなく合わせ、ボルトを対角線上の順番で少しずつ締めていくのが基本です。

一方向から順に強く締めてしまうと、フランジが傾いたりパッキンが偏って潰れたりして、隙間ができる原因になります。

DIYのパイプフランジでも同様に、ビスを一つずつ強く締め切るのではなく、全体を少しずつ均等に締めていくと安定しやすくなります。

フランジのメンテナンス・注意点

配管用フランジは、使用しているうちにボルトが緩んだり、金属部分がさびたりすることがあるため、定期的な点検が大切です。

接合面に挟んだパッキンも経年で硬くなったり劣化したりするため、漏れが見られる場合は交換を検討する必要があります。

DIYで使うパイプフランジの場合も、荷重がかかる部分は時間の経過とともにビスが緩みやすいため、折を見て締め直すと長持ちします。

フランジに関するよくある誤解

フランジとパッキンを同じ部品だと思っている方もいますが、前述の通りフランジは構造部品、パッキンはその間に挟む消耗品で役割が異なります。

また、フランジさえ取り付ければ密閉できると考えてしまいがちですが、実際にはパッキンなど適切な部材を組み合わせて初めて気密性が確保されます。

継手の一種という位置づけを知らずに、フランジと継手を全くの別物と考えてしまう誤解もよく見られます。

まとめ

フランジとは、パイプや機械部品の端に設けられた鍔状の突出部で、部品同士をボルトなどで強く結びつけるための構造です。

継手は配管をつなぐ部品全般を指す大きな分類で、フランジはその中のボルト締結による接合方式の一つという関係にあります。

パッキンはフランジの間に挟んで気密性・液密性を確保する消耗部材であり、フランジ自体とは役割が異なります。

工場や配管設備だけでなく、DIYのパイプ家具にもフランジは使われているため、仕組みを知っておくと取り付けや手入れの際に役立ちます。

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